鷲ノ木遺跡整備基本計画に係る意見募集への回答について

2022年10月28日

 令和4年7月12日から令和4年8月12日まで実施しておりました「史跡鷲ノ木遺跡整備基本計画への意見募集」について、みなさまの鷲ノ木遺跡への想いを

込めた8件の貴重なご意見をいただきました。ありがとうございました。

 みなさまからのご意見に対する町の考え方を、下記のとおりまとめましたので、次のとおり報告いたします。

番号

ご   意   見

回   答

【基本計画】

 史跡鷲ノ木遺跡には二つの思いがあります。一つは、縄文時代の環状列石と現

代の高速道路が同じ場所に作られたということです。歴史の資産を残し、現在の

資産を作っていくことは、人間の営みがそこを大切にして続けられていくことを

表していると思います。歴史が貫かれているということで世界遺産として評価さ

れることを願っています。

 史跡鷲ノ木遺跡は、歴史的・現代史的資産と

して、今後も『北海道・北東北の縄文遺跡群』

の関連資産として、構成資産の縄文遺跡群と一

体的な取り組みを進めていきたいと考えていま

す。

【基本計画】

 もう一つは、この環状列石は、作られた所の人々だけでなく、広く他の遺跡に

生活した人々、少なくとも道南の地域の人々に影響をもたらしたのではなかった

か、ということです。

 本遺跡の保存および調査研究を通して、道南

地域はもとより、全国的な縄文遺跡との比較を

行い、縄文時代の地域社会の在り方などの研究

を進めていきたいと考えております。

【基本計画】

 基本計画全体を通して詳細、綿密な計画が策定されており、関係諸方面の方々

のご尽力の程には大変敬意を表します。この計画には、実施のための予算措置に

ついて触れられていませんが、この大規模な計画実行には、町民、行政等の覚悟

が必要とされると考えます。予算措置の見通しについての考えをお伺いしたいと

ころです。

 今後の発掘調査や環境調査によって保存・整

備の内容が異なってきますので、現時点では予

算等の詳細は明示できませんが、町の予算だけ

でなく、国や北海道の補助金・交付金を活用し

て事業を進めていきたいと考えています。

【概要版】

 8ページ 遺構保存に関する計画・・・

 「遺構面の被覆」とありますが、例えば、環状列石全体を屋根付の建物で覆っ

て保存するという方途は考えられませんか。素人考えでは、その方途のほうが長

期的・恒久的保存には適していると思われるのですが。保存方法については専門

家の方々が充分ご検討の上でのことと思いますが。余計なこととは思いますが一

言。

 2,000平方メートルにも及ぶ環状列石全体を

被覆する建物の建設は構造や管理、さらに景

観上の問題など多くの課題があり、現実的で

はないと考えています。

【基本計画】

1 45ページ「第四章 基本方針」

〇基本理念

・「基本理念」は、当該遺跡の意味、価値を森町がどのような位置づけにする

か、及び管理運営の方向性や考え方を示す重要な基本的内容である必要があり

ます。今書かれている文章は前提状況の説明文であると思います。

・加えて、今回の整備計画の時間スパンのみならず、将来にわたっての長い年

月の目標と考え方を明示しておくべきであると思います。

 よって下記に例示したようなキーワードを包含しての、広く大きな表現が明

示されるべきと考えます。

 「保存と調査研究」、「本遺跡の全容」、「公開推進」、「森町の地域文化・

まちづくりや日本文化の発展に寄与」、「北海道・北東北縄文遺跡群の意義・価

値」、「現代技術との融合実例」、「未来へ発信」

 このような視点から理念を掲げて論旨を進めたいと思います。

 

 遺跡発見から18年が経過し、早期の公開を望

む声も多いことから、可能な範囲での公開を行

っていくにあたり、当面必要な保存と活用に向

けた整備を、今後5年程度で進めるために本計

画を作成しました。

 整備は5年後以降も継続する必要があります

が、今後は保存や活用に重点をおいた「保存活

用計画」等が必要となりますので、その中でい

ただいたご意見を参考にしていきたいと考えて

います。

 

【基本計画】

1 45ページ「第四章 基本方針」

〇基本方針 の記載について

 基本理念を受けて、少し具体的な方向付けの内容として基本方針がつくられる

はずです。

 既に計画書に書かれた事項としての「本質的並びに副次的価値構成要素」と

「史跡の価値及び保存活用に関連する要素」があります。これらを基に進めるべ

き道筋、方針を述べるのがわかり易く、整理されると思います。

 また、現記述のA.B.C.D.E.項目の記載は言葉足らずや記載内容の入り乱れがみ

え、基本的方針として掲げるべき内容が明快ではないと思われます。

 

 本計画は、限定的ではありますが、今後5年

程度で進めなければならない当面必要な遺跡の

保存と活用のための整備についての計画を明示

したものです。

 記載項目や内容などについては、国や北海道

の指導のもと、史跡の保存整備や補助金などを

担当する文化庁記念物課(現文化財第二課)が

作成した『史跡等・重要文化的景観マネジメン

ト支援事業報告書』(2015年刊行)を参考とし

たものです。

 いただいたご意見については、今後進める遺

跡の保存・活用の計画策定や事業実施に際して

参考にさせていただきたいと考えております。

 

 

【基本計画】

2 計画書全般を通読して

 章立ての記載内容には重複しているように思われる箇所があります。また、各

章には記述の軽重があって良いと思います。既述の計画に示されていることは出

典を明記するなどし、簡略な表現とし理解の煩雑さを低減することが良いと思い

ます。

【基本計画】

3 図表化を

 計画や委員会経過など、一連の流れを図表化して、人目で全体の流れや関連が

わかるようにすると良いと思います。

 

 

史跡鷲ノ木遺跡整備基本計画はこちらです。

               ↓

史跡鷲ノ木遺跡整備基本計画.pdf(5MB)

 

 

 

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文化財保護係
電話:01374-2-2186