北海道駒ヶ岳活動状況(令和6年9月)

2024年10月8日

札幌管区気象台 地域火山監視・警報センター発表

 

全般概況

   火山活動は概ね静穏に経過していますが、長期的には噴気活動や地殻変動に活発化の傾向がわずかに認められており、今後の推移には注意が必要です。

   噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)の予報事項に変更はありません。

 

○活動概況

・噴気など表面現象の状況

    山頂に設置した監視カメラでは、昭和4年火口でごく弱い噴気を観測しました。昭和4年火口でごく弱い噴気を観測した日数は、2021年頃から増加する傾向が認められています。

   12日に国土交通省北海道開発局の協力により実施した上空からの観測では、昭和4年火口をはじめとする山頂火口原内の各火口の状況に特段の変化は認められませんでした。

 赤外線熱映像装置による観測でも、2023年10月及び2024年3月の観測と比べ地熱域の状況に特段の変化はありませんでした。

 

・地震及び微動の発生状況

    今期間、火山性地震は少なく低調です。地震は山頂火口原浅部で発生しました。火山性微動は観測されていません。

    2023年12月から2024年3月頃にかけ、山頂火口原浅部(海抜下1km付近)を震源とする振幅の小さな低調波地震や火山性微動が発生しましたが、その後の地震活動は低調です。

 

・地殻変動の状況

 GNSS連続観測では、2022年頃から山頂火口原浅部の膨張を示すと考えられるわずかな変化が一部の基線で認められていましたが、2024年1月頃から概ね停滞しています。

 山頂火口原付近を挟む基線では、長期にわたり断続的に伸びが認められます。

 

気象庁ホームページへ