北海道駒ヶ岳活動状況(令和6年6月)
2024年7月8日
札幌管区気象台 地域火山監視・警報センター発表
全般概要
火山活動は概ね静穏に経過していますが、長期的には噴気活動や地殻変動に活発化の傾向がわずかに認められており、今後の推移には注意が必要です。
噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)の予報事項に変更はありません。
噴気など表面現象の状況
山頂に設置した監視カメラにより、昭和4年火口のごく弱い噴気を観測しました。
昭和4年火口でごく弱い噴気を観測した日数は、2021年頃から増加する傾向が認められています。
5月30日に山頂火口原で実施した現地調査では、昭和4年火口の噴気の状態や、地表面温度分布に前回の観測(2023年5月)と比べて特段の変化は認められませんでした。
また、その他の火口についても特段の変化は認められませんでした。
地震及び微動の発生状況
今期間、火山性地震は少なく低調です。
火山性微動も観測されていません。
2023年12月から、2024年3月頃にかけ、山頂火口原浅部(海抜下1km付近)を震源とする、振幅の小さな低周波地震や火山性微動が発生しましたが、その後の地震活動は低調です。
地殻変動の状況
GNSS連続観測では、2022年頃から山頂火口原浅部の膨張を示すと考えられるわずかな変化が一部の基線で認められていましたが、2024年1月頃から概ね停滞しています。
山頂火口原付近を挟む基線では、長期にわたり断続的に伸びが認められます。
5月28日から30日にかけて行った山頂付近のGNSS繰り返し観測によると、昭和4年火口付近を囲む基線で、前回(2023年5月29日から6月1日)から、引き続きわずかな伸長が認められました。
平成28年12月21日より、気象庁ホームページに北海道駒ケ岳の火山観測データが掲載されておりますので、火山活動状況の把握等に活用願います。