もりまち特産品紹介「ドライフラワー」

2020年12月3日

地域おこし協力隊の山中が「森町ロゴマーク」をご利用いただいている特産品と、その特産品の事業者様を独自の視点でご紹介する連載企画です。今回は「ドライフラワー」を生産・販売している「波多野農園」代表の波多野勝彦さんと美紀子さんにお話を聞いてきました。

 

 

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駒ヶ岳を望むなだらかな斜面に広がる花畑

 

国道5号線沿いにある道の駅「YOU・遊・もり」から車で約4分、秀峰駒ヶ岳を望むなだらかな斜面に、自家栽培の花や植物を使ったドライフラワーを生産・販売している波多野農園があります。

波多野農園は、豆や粟(あわ)、黍(きび)などを生産する畑農家として始まりました。現在4代目として代表を務める波多野勝彦さんが本格的に実家の農園で働くようになった昭和50年は、メロンやスイカが主な生産作物で、花の生産はまだ始まっていませんでした。

その6年後の昭和56年、花を始めるきっかけとなった、ある出来事があったそうです。

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波多野農園から見える駒ヶ岳とユーカリ。

 

花を始めるきっかけは、人生観も変わるような大きな出来事

 

勝彦さん:昭和56年。私が学校を卒業して6年目の年ですね。その時に大病をしたんですよ。腸閉塞です。あと1日でダメかという状態にまでなりました。それがちょうど、森町のお祭りの日だったもんで、医者がなかなかつかまらなくて。なんとか診てもらえることになったんだけど、その時は既に函館まで搬送する余裕がないくらい状態が悪くなっていたらしいんです。それで、なんとか森町で手術してもらって、命は助かったんですけど、1年間は全然仕事ができない体になっちゃったんですよ。 

 

美紀子さん:その年は、病院に3回も入院してました。盲腸やって、扁桃腺切って、最後に腸閉塞。

 

勝彦さん:最悪の年でしたね。俺がバッタリ倒れたら、親父もショックだったみたいで、メロン収穫するのを忘れてダメにしたりしてました(笑)。

 

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波多野農園4代目 代表 波多野勝彦さん。

 

美紀子さん:でも、それがきっかけで、人生観が変わったと思うんです。

 

退院後も、以前のようには働けなかった勝彦さん。空いた時間を利用して、学生時代から興味のあったシャクナゲの栽培を始めたそうです。

 

勝彦さん:私の学生時代の恩師が、シャクナゲの権威だったんですよ。今まで1回も蒔いたことなかったんだけど、文献はずっと読んでいたので、その通りにやってみたんですよ。苗を作るのに必要なハウスはたくさんありましたから。ハウスが空いている秋から春までの期間に、寒い中芽出しして、それを2人で移植して。2年間ぐらいでトータル50万本くらい作りました(笑)趣味の域を超えているんですけど、その当時の自分としては趣味だったんです。

あの頃は本当に楽しかった。

 

美紀子さん:本当に馬鹿みたいな数があったよね(笑)。

 

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当時を振り返り、思わず笑顔になる美紀子さん。

 

ツツジバブルの到来

 

シャクナゲに加え、ツツジの栽培も始めた波多野さん。その数年後に大きな転機が訪れたとのこと。

 

美紀子さん:ある程度、ツツジとかシャクナゲが大きくなって何年か経った時に、せっかくだから売り出そうってことになったんです。それでツツジとシャクナゲの広告を新聞に載せたら、業者さんが来るようになったんです。

 

勝彦さん:その時、ちょうどツツジが全道的に不足してたんですよ。それで言っちゃなんだけど、売れて売れて(笑)。北見の方からも業者が買いに来ましたからね。

 

美紀子さん:シャクナゲは1本も売れなかったね(笑)。

 

勝彦さん:ほとんど飾りで終わったな(笑)。

 

美紀子さん:ツツジのおかげで、子ども達を学校に行かせることができました。まさか、そうなるなんて夢にも思わなかったから。本当にありがたかったです。

 

 

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 倉庫の2階でドライフラワーを選別している美紀子さん。

 

ラベンダー 

 

ツツジとシャクナゲの次に波多野さんが始めたのがラベンダー。毎年7月に行われるラベンダー摘み体験は、波多野農園の代名詞の1つとなり、現在でも人気を博しています。

 

勝彦さん:ラベンダーは、ツツジとシャクナゲを始めてから、何年もしないうちに作り始めたな。その頃、ラベンダーはまだ全然メジャーじゃなかったから、この辺の人はラベンダーのこと誰も知らなかったですね。ドラマやCMで富良野のラベンダーが有名になった時は、既にうちにいっぱいあったから、花摘みを無料でやらせてみたら面白いんじゃないかって始めたんですよ。

 

美紀子さん:とにかく宣伝しないことには、うちらのことみなさん知らないから。だから新聞に広告を載せてもらったり、ラジオでも宣伝してもらったかな。一応2年間は無料でやってみて、これならお客さんも来てくれるかなと思ったので、その次の年からは有料にしました。

 

勝彦さん: もう30年くらい経つけど、料金は始めた時と同じ¥500(税込)のままでずっと値上げはなし。おまけで他の花とかも付きますから、お得だと思いますよ(笑)。

 

 

波多野農園のドライフラワー

 

波多野農園のドライフラワーは、勝彦さんが無農薬で丹精込めて育てた花を美紀子さんが一つ一つ倉庫に吊るし、ゆっくりと自然乾燥させて作られます。倉庫はドライフラワーのために建てた特別製で面積は約190m2の広さを誇り、うまく干せるように作られているとのこと。毎年農園で栽培される花は200種類にも及び、その内の約100種類がドライフラワーとなって倉庫1階の広々とした店舗スペースに並びます。

すごい数の種類ですが、それでも毎年新しい品種にチャレンジしてるとのこと。

 

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倉庫1階の店舗スペースには、所狭しとドライフラワーが並んでいます。

 

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波多野農園の倉庫の2階には、色とりどりのドライフラワーがたくさんあって、まるでファンタジーの世界です。

 

 

勝彦さん:毎年、最低5、6種類は新しい品種にチャレンジしますね。今年は茶色い綿を初めて作りました。どういうもんだろうと思って。種苗のカタログには、どれがドライフラワーに適しているとかが書いてあるんだけど、書いてないのも育ててみるんです。そしてドライフラワーにするとどんな風になるか、とにかくまず作ってみます。失敗しても良いから、とにかくやってみるんですよ(笑)。

あれ作ってみよう、これ作ってみようって考えてる時が一番楽しいんだよね(笑)。

 

 

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 今年、初挑戦した茶色い綿。茶色というよりアンティークゴールドに近い色合いが高級感を漂わせます。

 

 

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収穫した花や植物は、倉庫の2階に吊るして乾燥させるために、一つ一つ束にしていきます(写真はユーカリ)。

 

 

波多野農園で1番人気なのがユーカリ。ユーカリと聞くと、南半球に生息する哺乳類を思い浮かべてしまいますが、ドライフラワーにすると、少しくすんだ緑色と可愛らしい形の葉が、とてもオシャレで、1番人気なのも納得です。ドライフラワーはリースの材料というイメージが強いですが、波多野農園さんのドライフラワーは、どれも可愛くてオシャレなものばかりなので、そのまま飾るだけで部屋の印象が素敵になること間違いなしです。私も早速部屋に飾らせてもらっています(笑)。

 

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部屋に飾った波多野農園のドライフラワー。吊るすだけでも部屋の雰囲気がぐんとオシャレに。

 

 

波多野農園は4月から12月にかけて営業しており、店頭にたくさんの種類のドライフラワーが並びます。その中でも特に10月~11月が店頭に並ぶ種類が多くオススメとのこと。

開始当初から料金据え置き¥500(税込)のラベンダー摘み体験は、毎年7月頃に行われています。ラベンダーの開花時期は、その年の気候によって前後するので、事前に電話で確認したほうが良いそうです。

是非一度足をお運びください。

 

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入口では、大きなユーカリ玉がお出迎え。

 

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 別の角度から見た倉庫1階の店舗スペース。インスタ映え間違いなし。

 

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倉庫で乾燥させているクジャクアスターの白。

  

北海道森町ローカルネットワークマガジン「森memo」では今回ご紹介した波多野さんをはじめ、森町の特産品を作る事業者様のインタビューも掲載しております。是非こちらもご覧ください。

 

■URL

 北海道森町ローカルネットワークマガジン「森memo」 (外部サイト)

 https://www.morimemo.com/

 

「ドライフラワー」が購入できるところ

今回、ご紹介した「ドライフラワー」は波多野農園で購入することができます。価格は¥250(税込)~です

 

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取材当日に販売されていたドライフラワーのミックス。価格は¥250(税込)。

 

■波多野農園

●営業時間

夏季:AM9:00~PM5:00

冬季:AM9:00~PM4:00

●休日 月曜日、火曜日
●住所 北海道茅部郡森町字上台町356-2
●電話番号

01374-2-6441

01374-2-2656

●URL

波多野農園公式Instagram(外部サイト)

波多野エクスバレーガーデン(波多野農園)(@hatano_garden) • Instagram写真と動画

 

 

森町地域おこし協力隊

山中

お問い合わせ

企画振興課
振興係
電話:01374-7-1283